2007.6.30-7.1 キタダケソウを見るために in 北岳
わざわざ雨が降る恐れを犯してまでも行かなければならない山があります。
北岳。そう
北岳にしか咲かない、しかもこの時期にしか咲かないキダタケソウを見るためには雨が降ることはデフォルトとしなければなりません。
ということで、6/30-7/1に北岳に行くことを決めました。
キタダケソウは以前から是非見てみたいという思いも強く、盗掘なども激しいということもあり、いつ何時絶滅してしまうかもしれないので、行けるときに行っておくことにします。
いつもの山よりBeerに声をかけて、我が家以外に二人参加希望があったんですが、色々と現地の調査を進めるにあたって、「アイゼン(6本不可)とピッケルが必須」という情報が飛び込んできました。
今年は雪が少なかったんですが、どうも
局地的には3月に大雪が降ったようで、北岳周辺は例年の2倍程度の残雪量ということ。
ということで、参加者は我が家以外に一人、いつものKさんと3人で行くことに決定です。
山登りは正月の燕岳以来、約半年振りになります。果たしてキタダケソウにたどり着けるかどうか。なんて大げさでは無いけどね。
荷物の準備は天気が悪いことも予想して、
秋山の装備+ピッケルと12本爪アイゼン、さらに用心のために20mのロープまで持参することにしました。
一泊の小屋泊まりにも関わらず、ザックの重さはちぃにぃ12−4kg、けいこ10kg程にもなってしまいました。
まぁ、おやつとか羊羹とかを沢山持って行ったことも重たくなる原因なんだけどね。

←この雪渓の右脇を登ります

水などを汲みながら、登山道の様子を登山案内書で確認して、我が家は安全第一ということで、白根御池小屋から草すべりを経由するルートを選択することにしました。
で、8時15分いざ出発。
毎回思うのですが、南アルプス特有の樹林帯は、北アルプスとは全然違ってとっても素敵です。って北アが素敵ではないと言うことでは無いんですがね。


イェー
林道通れるもんねぇ〜

で、起きてからテントを車に突っ込み、準備をしていると後の方から「ちぃにぃさんですか?」と声をかけてくる人がいるではないですか。
振り向くと知らない人が・・・。
「つかさんの知り合いでforest8810と申しますが」と。
おぉーforest8810さんですか〜。我が家にもリンクを張っているではないですか。B型人間の生態がリンク先です。
いやはや、ひょんな所で出会いますね。今までも
山に行っているときに突然声をかけられたこと数回。世の中狭すぎです。
      

←時々休憩を取ります。
日差しが強いけど、樹林帯なのでちょっと楽です


forest8810さんとは初めてお会いしましたが
なんか、初めてという気がしませんでした

今回は天気があまりにも悪くない限り決行することに決めていたけど、天気が良くなるに越したことはないので、天気予報とにらめっこしてました。
二日前ほどから土曜日は雨だけど、日曜日は回復傾向になってきました。
前日には土曜日にも晴れのマークが付き、とうも
週末の二日間のみ天気は良くなりそうな感じです。
ラッキー。GWのロングツーリングの時と良い、ちぃにぃの晴れ男振りが完全復活したかな。
で、当日を迎え夜にKさん宅まで迎えに行き、現地へと出発します。
夕方から雨も止み、現地に着く頃には星空がでているほど回復していました。
北岳の基地となる
広河原は数年前から林道の崩落が続いたのと、環境保護もかねてマイカー規制が入り、旧芦安村からバスで行くことになっています。
そのため無料の駐車場が沢山あり、その中の一番バス停に近い第三駐車場に車を止め、テントを張ってお休みすることに。
ザックをおろして中休止していると雨がポツポツ落ちてきました。回りではザックカバーを付けたり、カッパを着たりしているんだけど、我らはそのままの状態で行くことにします。
だって、この雨粒は雲が流れば止むと予測したからね。


立っているのはちょっと辛いかな。約1時間程の行程です

けいこも結構調子良さそう。これで悪夢のような記憶ともおさらばできるかな(^o^)
草すべりの沢部分をようやく抜けて樹林帯へと突入。といってもこの辺りからは森林限界に近いために木々もまばらになってきます。

←今回はこんなことをする余裕もあります

←こんなお花たちに励まされながら登ります

確かに草すべりの急登はどんな時でもいやだよね。白根御池から二股経由(大樺沢)で草すべりの登りを回避しているグループもいたよな。気持ちは良く分かります。
なんて、している内に草すべりへ取り付き、淡々と一歩ずつ歩を進めて標高をがんがん上げていきます。確かに辛いな。でも、回りのお花たちに励まされながらも登り続けます。
ここ草すべりは以前北岳に登ったときも登ったところ。その時は雨の中、しかもほぼ初心者の状態で登ったこともあり、けいこにとっては「二度と来ないぞ草すべり」と誓った場所。
今回も歩いている途中から、いや計画を立てている時から「草すべりはいやだな〜」とぶつぶつと言っていたんです。

←猿の軍団が雪渓を渡っていました。
その後も木に登って枝を揺らしたりとかしていたよ

←黄色いものを右手に持っているのを見ると
一瞬生ビールかと思ってしまうのは気のせいかな(笑)

↓持ち方が何かを語っている(^o^)

10時45分頃で白根御池小屋に到着。以前来たときはプレハブみたいな小屋と、数年前に雪崩で流されてしまったロッジみたいな建物が一新。
もの凄く綺麗な建物があります。ここは
南アルプス市の管理になっているみたいなんだよね。小屋のご主人?に話を聞いたら100人ほどはラクに泊まることが出来るとのこと。
それと
生ビールもおいてある(^o^)みたいなので、ここに宿泊するのももしかしたらよいかもしれません。でも、ちょっと山頂まで遠すぎかな。
適度に休憩を取りながら標高をがんがん上げていきます。
で、ようやく最初の急登を終えて、白根御池へ続くトラバース気味の場所まで到着です。空を見上げると少し怪しい気配が漂っています。ちょっと嫌な予感が・・・
今回登る北岳は広河原から標高差にして1500m以上、直線距離では7kmほど。
ということは、平均斜度は21度程度になります。途中平坦な場所などもあるため、急な場所では、かなりの斜度になります。
当然今回選択した白根御池までの登山道もかなりの急登です。気温が高くて暑いんですが、木々が日差しを遮ってくれるので少しはラクなのかな。でも汗はダラダラ状態なんだけどね。
本当は今回の山行は我が家にとっての軽登山靴(縦走用ですが)にする予定だったんですが、事前に
アイゼン必携という情報があったため、冬山&テント泊用の重登山靴を履くことになっていたことと、正月以来約半年ぶりの山行のため、結構しんどいんだな。
一時間程まったころ、突然道の奥の方から沢山の人たちが走ってきます。皆満面の笑みを浮かべています。
通行可能となりました。良かった良かった。ということで、ここから40-50分ほどバスに揺られて広河原へ到着です。
ちょうどforest8810さんと再会したので、おしゃべりをしながら「行けなかったらどうしよう」などと言っていました。
もし、万一通行できないのであれば、
鳳凰三山でも行くかとか、数時間足止めを食らったら、白根御池泊まりとか、広河原小屋泊まりとかも検討するかなどと真剣に考えていたんだな。


草すべりの下側にはサンカヨウが咲いてました。
ちぃにぃは「サンヨウカ」と覚えていたんだよね。
なぜかね(笑)


小屋の名前の由来になった池があります

登山道の様子です。意外とはしごが多いんだよね。それから小さな沢もあります。
増水時には注意が必要かな

←白根御池と大樺沢ルートの分岐です

←本日6/30は甲府からバスが開通したことと合わせて開山祭が開催されるそうです。

↑広河原にやっと到着です

で、どこまで行ったかというと夜叉神峠の駐車場までです。
駐車場につくと、先発したバスも止まっていて、乗客達はその辺をぶらぶらしています。
工事車両のトラックとか警察の車が行ったり来たりしているのを横目で眺めながらぶらぶらしてました。
そんなこんなしている間にバスの出発時刻になりました。
バス停に行くと、既に始発バスは満席状態。立っていくならば乗れますが、次を待っても30分ほどなので、待つことにしました。
これが結局ラッキーだったんだよね。


こんなことをしているときに声をかけられました

↑やっぱりこれが必要でしょう
でも控えめにね


待ち時間中に変身しまーす

←やっぱりこれが必要でしょう

事前にバスの出発時間を確認していて、7時10分が第一便と思っていたんだけど、それはちぃにぃの勘違いで平日のダイヤでした。
本当は朝5:10が始発で、そのことに気がついたのはテントで寝ていたときに回りの人たちが大声で始発時間のことを話していたからなんです。
もっときちんと確認しないと駄目だよね。
朝3時頃からテントの回りでは人と車が騒いでいてあんまり熟睡できなかったけど、まぁ何とか3時間あまりは仮眠することができたのでラッキーだったかな。


こんな感じの道をたんたんと登ります


広河原で唯一宿泊できる
広河原小屋から山道になります。
広河原ロッジは数年前に廃止されています


皆バスから降りておしゃべりしたり
三々五々と過ごしてます

↑下に見える濁った池が白根御池です

←まずは吊り橋を渡って登山開始となります


八本歯のコル方面の展望が開けます
登っている人も結構いますが、斜度がきついよね

で、出発直前になり、なにやら辺りが騒々しくなってきました。バス会社の人たちが真剣な面持ちで話をしています。
林道に落石があったため、通行できるかどうかを現在確認中です」だってさ。
「えぇぇぇ〜。折角晴れているのに、もしかしたら行けないの?」
「どうなるかは不明ですから、とりあえずバスは出します。」ということで、皆バスに乗り込み出発です。
25分ほど休憩してから今日のメインの草すべりへと足を向けます。草すべりは雪渓が残っています。といっても登山道には雪はなかったけどね。
雪渓に遊んでいる野生の猿を見ながら出発。

←南アルプス北部の登山道はなんか雰囲気があって大好きです
北アも良いけど、この森の感じがなかなか良いんだよね

6月30日 時々